第89回ゲーム理論セミナー(6月12日)

第89回(2009年度第4回)ゲーム理論セミナーを以下のとおり開催いたしますので,ご案内申し上げます.

今回は、2人の報告者にご報告いただきます.また、時間が変則的になっておりますのでご注意ください.

日時: 2009年6月12日(金) 16:10-17:10および17:20‐18:50

場所: 東京工業大学大岡山キャンパス西9号館6階607号室

16:10-17:10
報告者: 東藤 大樹 氏(九州大学大学院 システム情報科学府)

タイトル: Characterizing False-name-proof Allocation Rules in Combinatorial Auctions

アブストラクト:
A combinatorial auction mechanism consists of an allocation rule that defines the allocation of goods for each agent, and a payment rule that defines the payment of each winner. There have been several studies on characterizing strategy-proof allocation rules. In particular, a condition called weak-monotonicity has been identified as a full characterization of strategy-proof allocation rules. More specifically, for an allocation rule, there exists an appropriate payment rule so that the mechanism becomes strategy-proof if and only if it satisfies weak-monotonicity.
In this paper, we identify a condition called sub-additivity which characterizes false-name-proof allocation rules. False-name-proofness generalizes strategy-proofness, by assuming a bidder can submit multiple bids under fictitious identifiers. As far as the authors are aware, this is the first attempt to characterize false-name-proof allocation rules. We can utilize this characterization for developing a new false-name-proof mechanism, since we can concentrate on designing an allocation rule. As long as the allocation rule satisfies weak-monotonicity and sub-additivity, there always exists an appropriate payment rule. Furthermore, by utilizing the sub-additivity condition, we can easily verify whether a mechanism is false-name-proof. To our surprise, we found that two mechanisms, which were believed to be false-name-proof, do not satisfy sub-additivity; they are not false-name-proof. As demonstrated in these examples, our characterization is quite useful for mechanism verification.


17:20‐18:50
報告者: 大田 直樹 氏(九州大学大学院システム情報科学府)

タイトル: 匿名の開環境における協力ゲームについて

アブストラクト:
 他のエージェントと交渉し提携を組むことは自律的なエージェントの備えるべき重要な性質である. エージェントが安定した提携を組むためには,協力によって得られた利得をエージェント間でいかに分配するかという問題を解決する必要がある.この問題を解決する方法の一つとして,協力ゲーム理論を利用することが考えられる.協力ゲーム理論は,複数のエージェントが協力した際,協力の結果得た利得の分配方法に関する研究分野であり,解概念と呼ばれる利得の分配方法が提案されている.さらに近年,インターネットの普及により,複数の企業,組織が動的,迅速に提携を構成することが可能/必要となったことから,協力ゲーム理論の適用分野は今後さらに拡大していくことが予想される.しかしインターネットのような匿名の開環境の下で協力ゲームを行う場合,エージェントは匿名の開環境特有の不正行為によって獲得利得を増加させることが可能である.我々はこの不正行為を防止するために,不正行為を数学的に定義し,また不正行為に頑健な解概念を提案した.


問い合わせ先: 

武藤滋夫(東京工業大学大学院社会理工学研究科社会工学専攻) 
         Tel: 03-5734-3622 E-mail: muto@soc.titech.ac.jp
渡辺隆裕(首都大学東京都市教養学部経営学系)
         Tel: 0426-77-1139  E-mail: forward5@nabenavi.net
大和毅彦(東京工業大学大学院社会理工学研究科価値システム専攻)
         Tel: 03-5734-2677 E-mail: yamato@valdes.titech.ac.jp

ダーウインセミナー(5月25日)

ダーウィンセミナー 第9回

日時:平成21年5月25日(月)15:00―18:00
場所:東京工業大学 田町キャンパス(附属科学技術高等学校)
   キャンパスイノベーションセンター 7階707号室(前回と違う部屋です)
(交通案内:http://www.titech.ac.jp/about/campus/t.html JR田町駅芝浦口より徒歩2分)

【発表1】
15:00-16:20  
発表者:細 将貴氏(東北大学大学院・生命科学研究科)
タイトル:追いかけるヘビと逃げるカタツムリ: 適応的種分化と適応性の制約がおりなす共進化の非同調性
概要:
 カタツムリの巻き方向は,逆転することによって交配前生殖隔離機構として働く。逆転が集団中に固定するためには,逆巻きの交配相手がほとんどいないという出現初期の非適応的な状況を克服する必要があるため,逆転が進化することは滅多にない。そのため,ほとんどの地域で右巻きの種が圧倒的に優占している。セダカヘビ科のヘビ類は,優占する右巻きカタツムリに特化していることで知られる唯一の捕食者である。そしてこの捕食者との共進化の結果として,左右反転による左巻きカタツムリの進化が促進されていることが,私のこれまでの研究によって示されてきた。しかし,共進化の当然の帰結として期待される,セダカヘビによる左巻きカタツムリへの対抗戦略については,まだ十分には理解されていない。本発表ではこの事例をもとにして,捕食者被食者間の相互作用に一般的であろう共適応の非対称性について議論する。

【発表2】
16:40-17:20
発表者:上原隆司氏(総合研究大学院大学・葉山高等研究センター)
タイトル:突然変異で変わる進化の結果 - 2x2非対称ゲームの場合
概要:
 連続形質の進化を考える場合によく用いられる手法であるAdaptive Dynamics では突然変異体の形質は親の形質とそれほど差はないという仮定が用いられているが、このような突然変異に対する仮定によって進化の結果がどのように影響されるのかを本研究では考える。ここではある2つのとり得る手のうちの一方をとる確率をプレイヤー戦略とした2x2の非対称ゲームを用いて、この連続的な戦略の集団内での分布の進化を異なる突然変異の仮定の下に調べた。Adaptive Dynamicsの仮定とは異なり、親と大きく形質が異なるような突然変異が起こる(例えば、突然変異体の形質がその取り得る範囲内から均等な確率で選ばれる)とすると、突然変異率が非常に小さい場合には集団は利得行列から計算されるESS、あるいはESSではないNash均衡に近い値を形質の平均とする平衡分布を持つが、突然変異率がある程度高くなると、平衡状態での形質の平均値はそのような値から離れ、平衡分布の消失も見られた。これらの結果から進化ゲームにおける突然変異に関する仮定の重要性について考えたい。

【発表3】
17:20-18:00
発表者:林 亮太氏(千葉大学自然科学研究科)
タイトル:ウミガメ類・鯨類に特有に付着するフジツボ類の進化
概要:
 フジツボ類は潮間帯から深海まで、海洋環境中に広く分布することが知られています。その付着基盤は岩礁・カイメン・サンゴ・二枚貝など多岐に渡りますが、中でもオニフジツボ超科に分類されるフジツボ類はウミガメやクジラなど、海棲大型脊椎動物に特有に付着します。フジツボの分類学を初めて体系的にまとめたのは『種の起源』を著したチャールズ・ダーウィンで(Darwin, 1854)、以来幾度かの分類体系の見直しが行われました。最近ではフジツボ亜目全体を対象に遺伝子を用いた系統分類学的研究も行われていますが、オニフジツボ超科は付着基盤が特殊でサンプリングが困難であるためかほとんど扱われておらず、形態学的にも系統学的にも研究が進んでいない分類群です。講演者は未解決の「オニフジツボ超科の系統進化」を博士課程のテーマとして研究を進めています。講演では形態形質を用いた分岐分類と、分子系統樹による系統分類の結果を比較します。分子系統樹からは分岐年代推定も行い、海洋中にいつ、どのような生物が現れたかも議論したいと思います。

 このセミナーシリーズは、生物学を軸として進化、生態、行動、保全、疫学、 ゲーム等の幅広い分野で首都圏の研究交流を図ることを目的とし、月一回のペースで、前半の講演と後半の進捗発表の二本立てで開催します。場所は東工大田町キャンパスと総研大葉山高等研究センターの交互開催を予定しています。
 後半の進捗発表は、進展途上の研究やアイディアを発表して参加者と議論し、今後の研究
に役立てる交流の場です。未完成の話題を大いに歓迎します。

 6月以降の進捗発表者を募集しておりますので、セミナー世話係までご連絡ください。

ダーウィンセミナーホームページ
http://bio-math10.biology.kyushu-u.ac.jp/~ohtsuki/darwin.html

ダーウィンセミナー世話係
中林 潤 nakabayashi_jun@soken.ac.jp
大槻 久 ohtsuki.h.aa@m.titech.ac.jp

第88回ゲーム理論セミナー(5月29日)

第88回(2009年度第2回)ゲーム理論セミナーを以下のとおり開催いたしますので,ご案内申し上げます.

日時: 2009年5月29日(金) 17:00‐18:30

場所: 東京工業大学大岡山キャンパス西9号館6階607号室

報告者: 安田洋祐 氏(政策研究大学院大学)

タイトル: Expanding 'Choice' in School Choice
 
アブストラクト:
Truthful revelation of preferences has emerged as a desideratum in the design of school choice programs. Gale-Shapley's deferred acceptance mechanism is strategy-proof for students but limits their ability to communicate their preference intensities. This results in ex-ante inefficiency when ties at school preferences are broken randomly. We propose a variant of deferred acceptance mechanism which allows students to influence how they are treated in ties. It maintains truthful revelation of ordinal preferences and supports a greater scope of efficiency.

論文は下記URLからダウンロードできます。
当日は、こちらでもコピーをご用意いたします。
http://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=1308730

問い合わせ先: 

武藤滋夫(東京工業大学大学院社会理工学研究科社会工学専攻) 
Tel: 03-5734-3622 E-mail: muto@soc.titech.ac.jp
渡辺隆裕(首都大学東京都市教養学部経営学系)
         Tel: 0426-77-1139  E-mail: forward5@nabenavi.net
大和毅彦(東京工業大学大学院社会理工学研究科価値システム専攻)
Tel: 03-5734-2677 E-mail: yamato@valdes.titech.ac.jp

入試説明会スケジュール(5月13日)

5月13日(水)に,価値システム専攻2010年度入試説明会を開催いたします。
当日の詳細なスケジュールをアップしましたので,ご確認ください。

日程:2009年5月13日(水)

会場:東京工業大学大岡山キャンパス西9号館W棟203ゼミ室

・入試説明会およびOpen Roomについて

Nostalgia and the Desire for Nature in Contemporary Land Art(5月13日)

Lecturer: Daniela Kato (Part-Time Lecturer and Post-Doctoral Researcher - Tokyo Institute of Technology, VALDES)
講師:加藤 ダニエラ (非常勤講師・特別研究員/東京工業大学 社会理工学研究科 価値システム専攻)

Title: Nostalgia and the Desire for Nature in Contemporary Land Art
講演タイトル:現代のランド・アートにおけるノスタルジアと自然への欲望

Venue: Ookayama Campus, Building W9, Floor 6, Room 607 Floor 2, Colaboration Room
会場:大岡山キャンパス 西9号館6階607号室 研究科共通ゼミ室  2階 コラボレーションルーム 《会場変更》

Date: Wednesday, 13th May 2009 - 17:00 ~ 18:00
日時:2009年5月13日(水) 17:00~18:00

Abstract: Land art comprises a vast field of artistic practices that pertain to the very deepest aspects of our relationship with the landscape and the environment. This talk is an invitation to a short walk around the works of some of its most significant artists, including Isamu Noguchi, Kazuo Shiraga, Andy Goldsworthy, Chris Drury, Ana Mendieta, Richard Long, and Hamish Fulton. We will start by briefly touring the history of land art since its emergence in the late 1960s, as well as its main characteristics, motifs, practices, materials and cultural references. We will then focus on a number of key philosophical, aesthetic and environmental questions posed by these works, namely how we relate to time, place and memory, and, in particular, how land artists simultaneously articulate our longing for a deeper relation with nature and the awareness of our increasing distance from it in these times of large-scale environmental destruction. This lecture will be delivered in English.
講演要旨:ランド・アートは多岐にわたる芸術的営みから成立している。この営みは景観・環境とわたしたちとの関係の奥底とつながっている。今回の講演では、ランド・アーティストのうちイサム・ノグチ、白髪一雄、Andy Goldsworthy、Chris Drury、Ana Mendieta、Richard Long、Hamish Fultonらの作品を取り上げる。講演ではまず、ランド・アートが勃興した1960年代後半以降の歴史を概観し、主な特徴、モチーフ、方法、素材、および文化的背景について説明する。その後、上述の作品が呈示する主要な哲学的・美学的・環境的問いのいくつかに焦点を当てる。それらの問いには例えば時間、空間、記憶に関するものが含まれる。同時に、この大規模な環境破壊の時代において、ランド・アーティストたちが自然とのより深い関係への切望、およびわたしたちが自然から徐々に疎外されてしまっているという事実をいかに分節=明示化しているかにも注目する。講演は英語で行われる。


Daniela Kato has degrees in Law and Modern Languages & Literatures, and a PhD in English Literature (University of Porto). Her research interests focus on landscape theory and environmental aesthetics. She is particularly interested in the interface between art, philosophy, anthropology, archaeology and architecture, concerning environmental perception, landscape and cultural memory, placemaking and spatial practices such as walking.
講師紹介:法律と近代言語・近代文学を専攻、英文学博士(ポルト大学)。景観理論、環境美学に関心を持つ。特に環境認知、景観、文化的記憶、場所の構築、散歩・散策といった空間的営みに関して芸術、哲学、人類学、考古学、および建築学の接点を中心に研究を進めている。